若草物語と京都の夜

グレタ・ガーウィグ監督最新作「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語」をやっと観に行った。お仕事以外の外出はかなり控えていたけれど、映画好きの友人の評価に背中を押され、観に行くことを決めた。

私は序盤に主人公 ジョーが走り出すところで泣いてしまった。(上映開始から5分しか経ってない)あぁもう絶対におもしろい映画です、というハンコが押された気がして泣いてしまった。

「潮が引くのと同じように(自分が死に近づいていくのを)誰にも止められない」と死を覚悟するベスと、生命力が失われていく妹をただ見つめることしかできないジョーの海辺でのシーン、思い出すだけで辛くて美しいシーン。映画館にいた全員が、うぇーーーーーん!!!って泣き出したいのを、大人だから我慢してすんすん泣いているように感じた。

2年前、私が京都の喫茶店でメロンソーダを飲んでいる時、常連のお兄さん(like湘南乃風)がやってきた。お店の若いマスター(私と同じくらいの年齢)にお子さんが誕生したことを祝福しに来たようだった。お兄さんはマスターに「俺はね、結婚してないやつ、子ども育ててないやつを下に見てる。人間は子ども育ててこそ完成する。子ども育ててないやつは何にも知らないに等しい半人前。マスターもそのうちわかる」というようなことを(困っているマスターにも気付かず)大声で語りはじめ、私は楽しい京都の夜が濁っていく気持ちになって店を出た。

あの時のお兄さんへのもやもやは、もちろん気にしなくて良いこととわかりつつ、でもあれだけ偏った思考の人がいるという事実にとにかく驚いて、子どもがびっくりしすぎて(何もケガとかしてないのに)泣いてしまうのと同じ感覚で、すごく傷ついてしまった。

でも映画を観て、ジョーがあのお兄さんの出来事ぜんぶをひっくり返してくれた。本当に観に行ってよかった。

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